「でこぼこの世界を平らにしてきたのが、いまの社会です」
そんな話からはじまったこのツアー。あれ、二ホンミツバチや多くの生物に触れにきたんだけどな。と思いつつ、次に促されたのが、地面の土を触ってみること。
▲枯れ葉や虫の死体などが土にかえることで出来る団粒構造を手にしながら話すのは、この19年間、森の案内を生業にしてこられた小西貴士さん。
身の丈にあった豊かで持続可能な暮らしを目指す「ぐうたら村」で、これまでに学んできた森の命のことを活かしながら暮らしの実践をされています。
耕作放棄地を開墾するところからはじまった「ぐうたら村」は、人が住むことによってどんどん命の数が増えていったのだそうで、人や植物、動物との関わりの中で、どのように土が変わっていくか、そしてどんな森の物語が生まれているのかなど、初めから興味深い話ばかりでスタートしました。
暑い夏でも、木陰に入ると風が涼しかったです。
パーマカルチャーや自然農の視点を取り入れた実践のお話は、書きはじめると長くなってしまいますが、小西さんが冒頭で話してくれた、「でこぼこを作るだけで、命は生きていける」というお話に、この日聞かせていただいた様々なことのエッセンスが詰まっていたように感じます。
森の中のお話が本当に面白く、ずっと聞いていたいほどだったのですが、限られた時間ではそうも言ってられないので、楽しみにされていた方が多かった二ホンミツバチの巣箱の近くへ移動することにしました。
いつも驚くのは、二ホンミツバチの巣箱は小西さんが暮らす家の軒先に構えられていて、人の暮らしの環境の近くでミツバチがぶんぶん飛び交っていることです。
ためしにこの巣箱を開けていただきます。
二ホンミツバチは本当におとなしいので、こうして手にのってもらい観察することも可能です。刺されたりして「怖いのではないか」というイメージがあった二ホンミツバチですが、一気に近い存在として感じられるようになりました。
可愛らしく見えてきた二ホンミツバチ。
しばらく近くで見ていたいなという気持ちになってきます。
二ホンミツバチにまつわる色々な話を伺ったら、いよいよ採蜜の見学。
一番上の蓋を取ると、蜜がびっしり詰まった巣を見ることができます。
蓋の方についた巣からしたたり落ちる蜜を…
我さきにと、みんなで味見をします。採れたてハチミツのさらっと甘いこと!
二ホンミツバチが作る複雑な形におどろき、
そこにたまる蜜の美しさを見てはまた驚くという繰り返し。
今回はこのうちの一段だけ蜜をわけていただくことになりました。これはどれくらいの重さかをみんなで体感しているところ。結構力を入れないと持ち上げることが出来ない重さでした。
この中をとりだして
ネットに入れて蜜をこしていくと
これでようやくハチミツが採れました。森のことを教えてもらい、二ホンミツバチと触れ合ってからハチミツをなめると、いつもより有難みも増すというもの。
こんなにも美しく美味しいものが自然界で出来るなんて、今日は本当に驚きの連続です。
森の中で美味しいお昼ご飯もいただき、大満足。
森の花々を飛び回る二ホンミツバチは、蜜を一方的に奪ってくるわけではなく、訪れた花の受粉を助けるという大事な役割を担っています。
その近くで暮らしていると、ハチのうんちが意外と綺麗に感じたり、でもやっぱりちょっと匂ったり、野山で蜜を採って帰ってくるところをオオスズメバチが狙っていたり、時にダニにやられて死んでしまい、それをアリが運んだりといったように、生きることと死ぬことが複雑にからみあい、森の中を循環していく命のことが見えてくるそうです。
そんな森の循環から学びを得て、小西さんが実践する循環型の暮らし。私たちはほんの少しの滞在でしたが、その雰囲気を少し味わうことができました。
小西さん、今日は本当に素晴らしい時間をどうもありがとうございました。お越しいただいた皆様も、この暑い日に最後までお付き合いいただき感謝です。
ぐうたら村には、まだまだ楽しみと学びが多くあります。また来年の春頃にツアーを作ることが出来ればと思っていますので、またどうぞご注目いただければ幸いです。
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◇ぐうたら村 管理人(森の案内人)小西さんのブログ:https://ameblo.jp/gorilla-tarou/
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