2018-05-10

<5/4スローツアー岐阜レポート①>
水出しコーヒーから知る、郡上八幡の水を活かした暮らし

記念すべきスローツアー第一弾「石徹白の小水力発電と 郡上八幡の水を活かした暮らしをめぐる旅」が無事に終了いたしました。

ご参加いただいた皆様に助けられ、終始大盛り上がりでツアーを行えたことに安堵しております。皆様本当にどうもありがとうございました。

遅くなりましたが、楽しかったツアーを順番に振り返っていきますので、お越しいただいた方も、今回残念ながらお越しいただけなかった方も宜しければご覧ください。(もしかしたら第二弾企画するかも知れません!)

まずは糸CAFEさんでランチ!

戦国時代から城下町として発展した郡上八幡には、いまなお古い町並みが残っており、各所で魅力的な町家が残っています。

岐阜駅から貸し切りバスで八幡に到着した私たち。築90年を超える町家を改修し、地域に根差した循環型の暮らしを提案・実践するコミュニティカフェ「糸CAFE」さんに早速ランチに伺いました。

糸のように、人やものをつなぎたい。という思いが店名に込められているそうです。

総勢18名様にお越しいただいたので、奥の部屋を貸し切りで使わせていただきました。夢中で美味しく食べたので、お料理の写真を撮れなかったのが残念!

丁寧に優しく作られたお料理をいただくことが出来ますので、みなさんも八幡にきたら是非「糸CAFE」さんへどうぞお立ち寄りください。店主の彩果さんもとても魅力的な方です。

腹ごしらえをしたら、いよいよ水出しコーヒーでまち歩き!

まずはNPO法人「郡上八幡 水の学校」さんに八幡の水をめぐる基本知識を真面目に伺ったら、早速まち歩きへ。ただ歩くだけでも魅力的な八幡のまちですが、今回は少し変わったまち歩きを体験していただくことにしました。

その名も『郡上発!水出しコーヒープロジェクト』!

これは、「オーガニック」、「フェアトレード」に加え「ソーラー焙煎」というこだわりのコーヒーを取り扱う有限会社スローの小澤陽祐さんが始めた取り組みで、八幡の各所で湧く水の味を確かめながら自分の「水出しコーヒー」を作るというもの。

長良川最大の支流である吉田川が市街を駆け巡り、その周りを山々に囲まれる八幡では、井戸水や山水、湧水に各所で触れることが出来、今でも生活に役立てられているといいます。

水道水でさえ美味しいこの町で、自分のお気に入りの水を探しながら、土地の歴史や文化までも知ってみようという贅沢で美味しく、しかも勉強になるまち歩き。なんだか聞いてるだけでも楽しそう!

こうして各所で水の味を確かめながら、ピンと来たら水出しコーヒーを作ります。

八幡の各所で見ることが出来るのが、この「水舟」。取水から排水まで二層から三層に分かれており、上の水槽を飲用や野菜を洗ったりする用途に使い、下の水槽で食器などを洗うように出来ているのだとか。

細い小道に入ったり、

途中で井戸水を見つけたりしながら、どんどん歩いていきます。

小澤さんがふと立ち止まり、指をさします。

指さす方向を見ると、こんな仕掛けが。上流から流れて来た水が途中で半分せき止められて、中央と右方向へ分かれて流れていきます。こうした簡単な仕組みで、水を町中に駆け巡らせているのだそうです。機械も動力も使わない昔からの知恵はやっぱり凄い!

ここは名水百選の第1号として有名な「宗祇水」。私はここで水出しコーヒーを作ることにしました。作り方はとっても簡単。

コーヒーパックが入ったタンブラーに水を入れて、軽く振るだけ。

あとはバックなどに入れて歩いているだけで、早ければ半日程度で飲み頃に。

水出しコーヒーをしながら町歩きをしていると、この綺麗な吉田川を見る目も変わってきます。この豊かな水を利用して私たちは生かされているんだなぁ。

ずらっと並んだ水出しコーヒー。

皆さん色々な場所の水を使ったので、味も少しづつ変わるのでしょうか。実際に飲むのが楽しみです。

続いて、おもむろに板を水路に差し込む小澤さん。これは「せぎ板」といい、水路の水を一時的にためることが出来るしかけなのだとか。

これを水路の溝(見えますでしょうか?)に差し込むと…

こうして水がたまるというわけ。ここで農作業後の長靴を洗ったり、洗濯をしたりすることが出来るのだそうです。水が駆け巡るまち、本当に素敵です。

郡上八幡に限らず、本来はどこでも自然の水を使って人は生きてきたはずなのに、今ではコンビニでペットボトルに入った天然水を買う時代になりました。楽しいまち歩きの傍ら、豊かさって本当は何なのかな、などと途中ぼんやりと考えてしまいました。

小澤さんがこの「水出しコーヒープロジェクト」を始めるきっかけとなったのは、東日本大震災に伴う原発事故の影響だったといいます。

スーパーの棚から生活物資が消え、ガソリンの給油にも一時間以上の長蛇の列、生活基盤のもろさが浮き彫りになっていた当時、この出来事は将来への不安をさらに増大させました。水が飲めなければ、当然コーヒーも飲めません。

そんな時に、郡上に住む親族がきれいな湧き水を大きなタンクに汲み、送ってくれたのです。
私は「あぁ、助かった。これでひからびなくて済む。」と感じました。
水を飲まなければ、当然生きてもいけません。

この時から私は「この体験をいつか表現しよう」と心に決めていました。

(小澤さんが過去にされていたクラウドファンディングHPの内容より引用抜粋。 https://motion-gallery.net/projects/SlowCoffeeGUJO )

人が生きていくのに欠かすことが出来ないのに、遠ざかってしまった水のこと。それでも八幡ではまだ残っている水とともに生きる暮らし。その環境を羨ましく思うと同時に、それでは実際に自分の暮らす場所ではどのように水と近づくことが出来るだろう。家に帰ったらじっくり考えてみようと思ったまち歩きでした。

せっかく来たので、シェアオフィスの「HUB GUJO」、昨年オープンしたばかりの小規模蒸留所「辰巳蒸留所」にも立ち寄らせていただいたら、外はもう夕暮れ。

ただでさえ楽しい八幡のまち歩きに、マイ水出しコーヒーを作るという要素が加わっただけでこんなにも楽しい時が過ごせるのかと、過ぎる時間の速さと小澤さんマジックに驚きの私たちでした。

最後は「郡上八幡麦酒こぼこぼ」さんで乾杯!

八幡では、その水の良さを活かした仕事に多く出会うことが出来ます。この地の水の良さに惚れ、移住しビール製造を始めた「郡上八幡麦酒こぼこぼ」さんもその一つ。

店主の松本さんのお話を伺いながら、八幡の水で作られた美味しいビールで乾杯をし、盛り沢山だった初日はようやく終了。

まだまだ話足りない気持ちを抑えながら、宿に行き就寝となりました。(初日終了。続く)

 

*もっと知りたい方へ 下記、どうぞご覧ください。

・一杯の珈琲から見つめなおす「いつもの世界」。「SLOW COFFEE」小澤陽祐さんが、水のまち・郡上八幡で「水出しコーヒープロジェクト」を始めた理由。(greenz.jp)

・郡上発!水出しプロジェクト FBページ

・スローコーヒー HP

・糸CAFE FBページ

・辰巳蒸留所 FBページ

・郡上八幡麦酒「こぼこぼ」 HP


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